3 min read

言葉より先に、声のトーン。

はじめに

お客様と話していると、第一声だけで少し安心する瞬間があります。

内容はまだ何も聞いていないのに、声を聞いただけで、なんとなくその日の空気が決まるような感覚です。

「おはようございます」という、ただの挨拶ひとつでも、声の調子でその日の距離感が決まってしまうことがあるんですよね。


声は、その人の空気をつくっている。

美容師という仕事は、お客様と長い時間、言葉を交わします。

カットの間も、シャンプーの間も、ずっと会話が続きます。

だからこそ、声のことは自然と気になるようになりました。

声の大きさ、話すスピード、トーン。

同じ「お似合いですね」という一言でも、声によって伝わり方はまったく違います。

柔らかいトーンで言われると素直に嬉しいのに、早口で言われると、どこか流れ作業のように感じてしまうこともあります。

特に初めてのお客様ほど、この違いは大きく表れます。

緊張している方に、こちらがいつものペースで話しかけてしまうだけで、自然と距離ができてしまうこともあるんですよね。


内容より先に届くもの。

髪型は、目で見て伝わる印象。

香りは、近づいたときに伝わる印象。

そして声は、その場の空気そのものをつくる印象なんだと思っています。

姿は見えていても、声を聞くまでは、その人がどんな雰囲気なのかはまだ分からない。

だからこそ、言葉の内容より先に、声のテンポや柔らかさが相手へ届いている気がします。

画面越しで話す機会が増えた今は、なおさらそう感じます。

表情が伝わりにくい場面では、声がその人の印象を支えていることも少なくありません。


安心感は、話し方ではなく”間”から生まれる。

安心感は、何を話すかより、どう話すかで決まることがあります。

落ち着いたトーンで、相手を急かさずに話してくれる人には、初対面でも自然と心を開いてしまいます。

反対に、正しいことを話していても、早口で畳みかけられると、どこか身構えてしまう。

僕自身もカウンセリングでは、話す内容より先に、間の取り方を意識しています。

少しゆっくり話す。

相手が話し終わるまで待つ。

その小さな積み重ねが、「相談しやすい」という空気につながるんじゃないかなと思っています。


今日からできること。

特別な話し方を身につける必要はありません。

いつもより少しだけ、ゆっくり話してみる。

相手が話し終わるまで、一呼吸待ってみる。

それだけでも、伝わる印象はきっと変わります。

声の高さや大きさを変える必要はありません。

ほんの少しだけテンポと間を意識するだけで、相手が感じる安心感は変わってくるはずです。


まとめ

髪も。

眉も。

姿勢も。

服も。

香りも。

そして、声も。

印象をつくるものは、目に見えるものだけではありません。

声もまた、その人らしさを静かに伝える、大切な印象のひとつなんだと思っています。


次回予告

次回は、

「視線は、目より先に眉へ向かう。」

というテーマで書こうと思います。

人は相手の目を見て話しているようで、実はその周りにある眉も自然と視界に入っています。

「なんだか印象がいい。」

その理由は、髪型より先に眉が整っていることかもしれません。

次回は、そんな”視線”という視点から、眉が印象に与える影響について書いてみようと思います。