清潔感は、「足す」より「減らす」でつくられる。
「清潔感を出すには、何をしたらいいですか?」
美容師をしていると、髪型だけでなく、眉や服装、身体のことまで相談されることがあります。
「清潔感を出すには、何をしたらいいですか?」
というのも、よくいただく質問のひとつです。
ただ僕自身は、清潔感をつくるために、何かをどんどん足す必要はないと思っています。
むしろ、少しやりすぎているところ、放置されているところ、なんとなく違和感になっているところを整える方が、その人らしさは残るんですよね。
清潔感とおしゃれは、実は少し違うんですよね。
高い服や流行の髪型がなくても、清潔感のある人はいます。
逆に、一つひとつはおしゃれでも、全体を見ると少しやりすぎて見えることもある。
重要なのは、アイテムの価格や数ではなくて、その人全体のバランスなんですよね。
何かを新しく足すことで印象を変える方法もあります。でも、その前に今あるものを少し整えるだけで、十分なこともあります。
「あれ、なんか垢抜けたね」って言われる変化。
髪を大幅に変えなくても、襟足を整える。耳まわりをすっきりさせる。顔まわりの重さを取る。
その程度で、まわりから「あれ、なんか垢抜けたね」と言われる変化が起きることがあります。
本人が「変えました」と主張するような変化ではなく、周囲がなんとなく感じる程度の変化。
grit.が大切にしているのは、こちらです。
大きく変えることより、その人の中にあるちょっとした違和感を整える。そのくらいの方が、もともと持っている雰囲気も残るんですよね。
髪だけ完璧でも、印象は完成しないんですよね。
美容師として髪を見てきて、パーソナルトレーナーとして身体も見てきた中で感じるのは、印象は一部分だけでは決まらないということです。
髪だけ完璧でも、服だけ高くても、身体だけ鍛えていても、それだけでその人の印象が完成するわけではありません。
髪、眉、姿勢、身体、服、香り。
そういったものが少しずつ自然に整っている状態の方が、結果としてその人らしく見えるんですよね。
とはいえ、全部を一気に整える必要はなくて、気になるところから少しずつで十分だと思っています。
「減らす」は、個性をなくすことじゃありません。
ここでいう「減らす」は、物を捨てるとか、地味にするとか、個性をなくすという意味ではありません。
その人らしさを邪魔している、余計な違和感を減らすという意味なんですよね。
だから、好きな服や髪型を諦める必要はまったくなくて、その中で「あ、これはちょっとやりすぎかも」というところだけ、少し整えればいい。
足さないことと、何もしないことも違います。
必要なところにはきちんと手を入れる。でも、必要以上に作り込まない。
そのくらいのバランスが、自然な清潔感につながるんだと思います。
今日、鏡の前で見てほしいところ。
襟足やもみあげが伸びっぱなしになっていないか。眉から明らかにはみ出した長い毛がないか。
香水や柔軟剤の香りが強くなりすぎていないか。服のサイズが大きすぎたり小さすぎたりしないか。髪をセットしすぎていないか。
新しいものを買う前に、今の自分の中で少しだけ整えられるところがないか、鏡の前で見てみてください。
足して完成させるのではなく、余計な違和感を少し減らしていく。
その方が、その人自身の良さが自然に残ると思っています。
清潔感は、何かを足した先にあるとは限らない。
髪も、眉も、姿勢も、服も、香りも。
何か新しいものを足す前に、今あるものを少し整えてみる。
清潔感というのは、そういう小さな手入れの積み重ねから生まれるものなのかもしれません。
大きく変えなくてもいい。余計な違和感をひとつずつ減らしていく。
その結果として、「なんか感じがいい」と思ってもらえるくらいが、僕は一番自然だと思っています。
次回予告
次回は、**「前髪は、長さより『幅』で印象が変わる。」**というテーマで書こうと思います。
前髪というと「何センチ切るか」に目が向きがちですが、実は顔の見え方を大きく左右するのは、長さだけではありません。
次回は、前髪の幅や厚みと印象の関係について書いてみようと思います。
