「レイヤーを入れてください。」
美容師をしていると、本当によくいただくオーダーです。
でも実は、僕は最初から「どのくらいレイヤーを入れるか」は考えていません。
まず考えるのは、どこから始めるか。
そこなんですよね。
同じレイヤーカットでも、人によって印象はまったく違います。
それは、レイヤーの量ではなく、位置が違うから。
SNSで同じ写真を見ていても、そのまま同じように切れば似合うわけではありません。
僕が一番見ているのは、実は髪の長さではありません。
骨格、顔まわり、首の長さ、肩幅、毛量、髪質。
それに、普段巻くのか、アイロンを使うのか、結ぶことが多いのか。
そういう日々の過ごし方まで含めて、その人に一番似合うレイヤーの位置を探しています。
同じ「韓国レイヤー」というオーダーでも、似合う位置は一人ひとりまったく違います。
だからこそ、写真を持ってきてもらうのはとてもありがたいんですが、その通りに切ることが正解とは限らないんです。
レイヤーは、量を増やす技術ではなく、印象を設計する技術だと思っています。
「軽くしてください。」
というオーダーもよくいただきます。
でも、軽くすることと、レイヤーを入れることは、実はまったく別の話なんですよね。
位置が少し変わるだけで、
顔の見え方も、
横顔も、
巻いた時の動きも、
まとまりも、
全部変わってきます。
結んだ時にきれいに見えるかどうかも、この位置ひとつで変わります。
だから僕は、ハサミを入れる前に、鏡の前で一緒に確認している時間の方が長いこともあります。
もしレイヤーカットを考えているなら、
SNSで見つけた写真をそのまま再現することより、
「自分にはどの位置が似合うんだろう。」
そんな視点で相談してみてください。
それだけで、同じレイヤーカットでも仕上がりは大きく変わってきます。
広がるのが不安な方も、
結んだ時に可愛く見せたい方も、
まずはその位置の話から始めてもらえたらと思います。
レイヤーカットは、
長さを変える技術ではありません。
その人の印象をデザインする技術。
僕は、そう考えています。
次回予告
次回は、
「服より先に、サイズ感。」
というテーマで書こうと思います。
高い服だから似合うわけではありません。
ブランドよりも先に、その人に合ったサイズ感があります。
服が変わる前に、知ってほしい話です。
