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清潔感とは、「整っていること」ではなく、「手入れされていること」。

「清潔感がある人」って、実際どういう人なんだろうと、僕はお客様の髪を切りながらよく考えます。

髪型が整っている、肌の調子がいい、服装のセンスがある。大体そういう答えになると思うんですが、それだけじゃ説明がつかない時があるんです。

同じくらい身なりを整えている人でも、清潔感が伝わってくる人と、なぜか伝わってこない人がいたりします。高そうな服でも雑に見えたり、シンプルな格好なのに信頼できそうに見えたり。その差は、センスや値段の問題じゃない気がするんですよね。

長年、色んなお客様の髪や眉に関わらせてもらう中で、僕はこの違いをずっと観察してきました。それで気づいたのが、「整っていること」と「手入れされていること」って、似ているようで実は全然違うんじゃないか、ということなんです。

整っているというのは、いわば状態のことです。髪を切ったばかりで、肌も乾燥していなくて、服にしわもない。それって、その瞬間だけの完成度なんですよね。時間が経てば髪も伸びるし、肌の調子も変わるし、服もくたびれてきます。整っている状態って、放っておくといずれ崩れてしまうものなんです。

一方で、手入れされているというのは、時間の積み重ねだと思います。眉の際がいつも整っていたり、爪の先が丸く整えられていたり、髪の分け目に自然な清潔さがあったり。これは一回整えて終わりじゃなくて、続けてきたことの証拠として、そこに残っているものなんですよね。

見ている側も、言葉にできなくても、この違いをちゃんと感じ取っているんだと思います。「なんとなく感じがいいな」の正体は、実は続けてきた気配だったりするんですよね。逆に言えば、清潔感って才能とか生まれ持った雰囲気の話じゃなくて、誰でも積み重ねていけるものだったりします。

難しいことをする必要は全然なくて、眉の際が伸びていないか、爪の先が整っているか、髪の分け目に寝ぐせが残っていないか、そのくらいのことなんです。実際、現場で「感じがいいな」と思うお客様ほど、こういう細かいところを欠かさない方が多い印象があります。

だから僕は、髪も眉も、一回のスタイリングとしてじゃなくて、続けていくものとして扱いたいと思っています。今日きれいに見えることより、来月も来年も同じように整えられていること。grit.が大事にしたいのは、そっちの方なんです。

清潔感って、才能でも一瞬の演出でもなくて、手をかけ続けているかどうかっていう、わりと地味な習慣の話なんじゃないかなと思います。

髪も眉も身体も、ひとつひとつは小さな手入れでしかないんですけど、それが積み重なった先にあるものを、僕たちは”印象”と呼んでいます。grit.が見ているのは、いつもその先です。

この話、よかったら保存しておいてもらって、鏡の前に立った時にでもまた読み返してもらえたら嬉しいです。

次回のgrit. JOURNALは「眉」について書こうと思います。眉を変えただけで印象がガラッと変わって見えるのって、実はちゃんと理由があるんです。それはまた次回に。